2015.12.17 Thursday

受け取った保険金の所得税の取り扱い

 所得税確定申告において、受け取った保険金の申告漏れがよく見受けられます。し
かし、保険は複雑で、一般には一見してわかりづらい点も多くあります。所得税に絞
って、申告の要・不要についてまとめました。

1.満期保険等を受け取った場合は?
 満期保険等を一時金で受領した場合は一時所得になり、年金で受領する場合は公的
年金等以外の雑所得になります。
 なお、年金を受け取る際には、原則として所得税等(所得税10%+復興特別所得
税0.21%)が源泉徴収されます。ただし、年金の年額からそれに対応する保険料
又は掛金の額を控除した残額が25万円未満の場合には源泉徴収されません。また、
いくら源泉徴収されていても確定した税額ではありませんので、保険期間が5年以内
の一時払い養老保険等とは違い、雑所得として他の所得と合算して確定申告が原則必
要となります。

2.保険金なのに所得税が引かれて入金されることってあるの?
 保険料を一時払いすることによって、税法上いわゆる「金融類似商品」として位置
づけられる商品があります。代表的なものとしては、一時払い養老保険です。また、
同じ一時払い養老保険であっても保険期間によってかかってくる税金は異なります。
(欷唄間が5年以下(※):源泉分離課税
 (満期時保険金+配当金−一時払保険料)×20.315%(所得税15%、復興
特別所得税0.315%、住民税5%)の税金が差し引かれて保険会社から入金があ
るため、概に課税関係は終了していますので確定申告の必要はありません。
※保険期間が5年越で5年以内に解約された一時払養老保険等も含みます。
∧欷唄間が5年超:一時所得

3.パートタイムの配偶者の所得に注意
 保険金を申告する場合には、他の所得と合算して総合課税の対象となります。
 ここで注意したいのが、例えば、夫の配偶者控除を受けているパートタイムで働く
妻が、満期保険金を受け取った場合、パートタイムの所得に課税一時所得を合計した
ものが妻の合計所得金額となります。ということは、配偶者控除は合計所得金額が3
8万円以下の場合のみ適用されますので、妻の合計所得金額が38万円を超えた場合
、夫はその年の配偶者控除(38万円)を受けることができません。しかし、妻の合
計所得金額が38万円超〜76万円未満で夫の合計所得金額が1,000万円以下の
場合は、配偶者特別控除は受けられます。
【事例】
 パート収入が100万円で保険金等の課税一時金所得が10万円あったケース
  パートタイムの給与収入が100万円の場合、給与所得控除額は65万円、給与
  所得控除後の額は35万円(100万円−65万円)になります。この妻に課税
  一時所得が10万円あった場合、妻の合計所得金額は45万円(35万円+10
  万円)となり、夫は妻の合計所得金額が38万円を超えているため配偶者控除は
  受けることができませんが、38万円超〜76万円未満であるため、計算式によ
  り31万円の配偶者特別控除を受けることができます。

4.ワンポイント情報:団体信用生命保険の保険金はどうなる?
 団体信用生命保険(通称:団信)とは、住宅ローンの返済途中で契約者が死亡又は
高度障害になった場合に、本人に代わって生命保険会社が住宅ローンの残債を支払う
ものです。この受け取った保険金は「死亡保険金」として相続税の対象になるのでし
ょうか?
 団信は契約者及び受取人が金融機関の為、たとえローン契約者の死亡によって支払
われるものであっても「みなし相続財産」として相続税の対象にはなりません。ちな
みに、そのローンの残債は相続人が支払うものではないため「債務控除」は受けられ
ないという取扱いになっています。

【参考】国税庁タックスアンサー
 「NO.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき」
 「NO.1610 保険契約者(保険料の負担金)
                である本人が支払いを受ける個人年金」

 「NO.1600 公的年金等の課税関係」     他